大朝の地は、四方を中国山脈の山々に囲まれた緑深いのどかな田園風景を誇る高原です。
遠く平安朝の昔から陰陽交通の要路として発達し、中世には東国武士吉川氏の居城地で栄えたところであり、その風景を形作る農業にとって緑の深い大麻天神の所在するところです。
この神域に目通り四米、高さ十五米あまりの千年経た枝垂桜の老樹があります。
古い伝説によりますと、一人の旅僧が諸国巡錫の道すがらこの社に詣でた際に、吉野山より携えてきた桜の枝を挿し残したものに根が生えついに天にとどき雲井に達するほどの大樹となり、四方に芳香をはなち、八方より眺められるところから誰いうとなく雲井桜と称えるようになったということです。
この由緒ある老樹を永く記念し、歴史の自然郷大朝を広く世に紹介するため、弊舗は大正八年創業以来恵まれた郷土産の豊富な材料のもとに永年くふうを重ね、ついに考案されました。
郷土大朝の雲井桜にちなんで「雲井羊羹」と地にちなんで「大朝まんじゅう」と名付けました。
思いでゆたかに弊舗じまんの自然のおいしさを味わって下さい。
四季のおみやげ、贈りもの、お見舞い、お茶の間の語らいにもどうか末ながくご愛顧下さいますようよろしくお願い申し上げます。
大朝まんじゅう本舗
林風月堂主敬白